【学び方を学ぶ】すべての学習に共通する脳のカラクリ

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この記事では、人間の学習の方法について書いていきます。

つまり、学び方について学んでいきましょう。ということです。それではさっそく、言語学習を例にとって見ていきます。

なぜ、クリティカルエイジがあるか

まず、言語の習得において、

僕たちにはクリティカルエイジがある

と言われています。

では、どうしてクリティカルエイジがあるのでしょう。

脳神経ネットワークが母音や子音(音声論[phonetics]のレベル)の認識を学習していたとします。この音声論のレベルの認識を学習しているネットワークに別の情報である音韻の並び(音韻論[phonetics])のルールを学習しようとしても、もともと学習していた音声の認識の学習は消えてしまいます。

これは、ネットワークは統計システムだからです。統計のサンプルに1個の統計モデルができあがったとき、何の関係もないサンプルを大量に与えると、元の学習は消えてしまいます。

これはまずい!

ということで、ネットワークは一度学習すると固定化して、さらに新しいネットワークに音韻の並び方を学習させるのです。

人間の脳の学習過程について

言語は「階層性」を持っています。

小さいユニットの音素の認識があり、その後、音素の並びを学び、音素の並びから単語レベルを学んでいきます。それ以外に意味論なども含め、いろんな方向性の階層性を持っています。

順番に学んだところを固定し、それを利用してさらに大きな別のネットワーク(ゲシュタルト)を作っていきます。

言語だけではなく、人間の脳の学習はすべてゲシュタルトを作っていく作業

になります。

そのために、ある程度学習済みのネットワークは固定化します。「固定化する」というのは、「これ以上チューニングさせない・重み付けの学習をさせない」ということです。

固定化させる必要があるのです。これが言語だと相当の時間が掛かるので、その期間を「クリティカルピリオド[critical period]」と呼びます。

クリティカルピリオドは、それぞれの要素別にあります。そのため、全体に言語がネイティブになるのは8歳から13歳くらい。この年齢を「クリティカルエイジ」と便宜的に呼んでいます。

これは、まさに便宜的にあるだけで、新しい知識を学ぶときに、おじいちゃんやおばあちゃんになっても学べることが分かっています。これを、脳の可塑性[elasticity]と言います。

 おじいちゃんになっても新しい情報を学ぶことができるのです。

たしかに、脳細胞の数は生まれたての赤ちゃんが一番多いので、細胞の数で言えばだいぶ減っています。

しかし、人間の脳は1%も使われていないと言われています。おじいちゃんになっても使えてないネットワークがいっぱいあるということです。

僕たちが受けた英語教育の問題

さて、おじいちゃんになっても言語が学習可能ということが分かりました。

しかし、僕たちが受けた英語教育はどうだったでしょうか。

母国語(日本語)のネットワークの上に他言語(英語)を学んでいました。ここが問題です。つまり、 チューニング済みの固定化されているネットワークを利用して新しい情報を学ぼうとしても学べないのです。なので、僕はイマージョン教育を推奨しています。

  • 日本語で英語を学ぶ
  • 英文を日本語に翻訳する
  • 発音記号で発音を学ぶ

日本語環境で英語を学ぼうとするため、まず、日本語のネットワーク活性化させます。そして、日本語と同じだけど音韻の並び替えが違うだけ。こういう「日本語を組み合わせて単語を作る(英語)」になります。よって、日本語のカタカナ言葉で英語を発音してしまうのです。

カタカナ言葉(発音記号)でまず英単語の発音が書いてあり、文法の説明は日本語で行い、出来上がった意味は「翻訳」になります。

しかし、翻訳に意味はありません。文章の発話環境の中に意味があります。僕たちは「日本語に翻訳した文章が意味だ」という教育をされてきました。

まとめ:脳のカラクリ

英語だけでなく、外国語の学習は母国のネットワークではない新しいネットワークを利用して外国語を学ぶことが必要となります。

言語ごとに使われるネットワークが増えていくのであれば、何ヶ国語のマルチリンガルにもなれるという話です。(訓練の時間はそれぞれの言語ごとに掛かります)

これが「脳そのもののカラクリ」です。

言語学習以外でも、 これから学ぶすべてのことは、新しい(使われていない)ネットワークに学ばせるのです。

地球をいいところにしましょう。

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